スモークされた夜
こんにちは。
レモンを持ちながら失礼します。
先日、友人たちと3人で燻製祭りをしました。
燻製祭りとは、燻製の祭りのことです。
燻製は意外とお手軽で、スモークされた食品のウマさからは想像できないほど、簡単に作ることができます。
まず、スモークウッドという、木屑をギュッとしたような棒にバーナーで火をつけて…
網に乗せた食材と…
スモークウッドを入れて、ダンボールを閉じたら…
待つだけ!
テンションが上がりすぎたのか、友人はエアギターに熱中してしまいました。
段ボールの中で食材たちがモクモクとスモークされているあいだ、炭火でいろいろな食材を焼くことに。
まさに今が旬のイワシ!そしてネギも欠かせません。
立ちのぼってくるおいしそうな香りに、焼いている友人もこの表情。
脂ののったイワシのあまりのおいしさに、彼もなんとかエアギターをやめることができました。
黒焦げになった一番外側の皮をぺろりと剥がして食べる、アツアツとろとろのネギは絶品です。
ちなみに、右側に見えているマックフライポテトの炭火焼きは、事前の予想に反してなかなかのウマさを誇り、意外にも好評でした。
肝心のスモークはというと、この自家製ビーフジャーキーが最高においしかったです。
その後も、エアギターに没頭する友人を横目に、
いろんなうまいやつを食べたり
友人たちをアーティスト写真風に撮影したりしていた頃、
出火しました。
せっかく火事になったので、さつまいもを投げ込み、焼き芋を作ることに。
ちょうど陽も沈み、静かな川面に反射する光を眺めながら食べる焼き芋は格別でした。
このとき、僕は先陣を切って食べていたので、
「焼き芋めっちゃおいしいよ!」
と友人にあげようとすると、
エアギターをしていました。
彼は焼き芋が好きではないそうです。
すっかり暗くなり、持ち寄った食材も完食したので火を囲っていると、
友人は、死神に変化して揺れていました。
揺れる火を見つめながら3人でサライを合唱していると、彼は突然立ち上がって火の中へ歩いていき
さよなら、と告げた彼の肉体は足元からスーッと消滅し、
残されたマスクだけが煙を上げて燃えていました。
…僕たちをスモークするように。
サクラ吹雪の サライの空へ
いつか帰る いつか帰る
きっと帰るから